2013/07/14

アートと地域について 〔雑考〕

先日金沢21世紀美術館を訪れたのは勿論現在開催中の企画展「内臓感覚」を見に行くためだが、実はもう一つの関心として2011年4月16日から2012年3月20日の長期にわたり催された企画展ピーター・マクドナルド  訪問者の痕跡がどのくらい金沢の街に残っているかを確かめることがあった。
レジデント・アーティストとしてピーターが金沢の街で制作を行う傍ら彼の日常生活の延長として彼の作品は金沢の街へと少しずつ侵入していった。それは美術館傍の

喫茶店の店内だったり、彼がよく行く居酒屋だったりしたという。
これは予算が付いた作品なので厳密な意味では等値に並べることはできないだろうが片町商店街の自転車屋さんに看板のように取り付けられたこの愛すべきドローイングもまさにそのように金沢の街の中で一種の不安定な浸食と街の顔としての収まりを両立させていたのだった。
それはこんな具合だった。



今年再訪した店の看板はこんなことになっていた。
ちょうど来られた自転車店の方に伺ったところ、こういった展示は市の予算の中に作品の会期終了後の撤去作業の分も含まれているので、問答無用で撤去されるという。お店の方は会期後も作品を残してほしかったそうだが、元々絵具も長期の屋外展示に耐えるような耐久性を有していないとも言われ撤去となったそうだ。

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